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2024.04.01更新

日本脳炎ワクチンの『標準的な』接種は3歳から、とされています。その理由は、長年、日本脳炎を発症する年齢は3歳以上で、3歳未満で発症することはないだろう、と考えられていたからです。

日本脳炎の感染者数は毎年5-10人ほどですが、近年、3歳未満でも発症する例がみられるようになりました(熊本県で2006年に3歳児・2009年に7歳児、高知県で2009年に1歳児、山口県で2010年に6歳児、沖縄県で2011年に1歳児、福岡県で2011年に10歳児、兵庫県で2013年に5歳児、千葉県で2015年に0歳11ヶ月児)。

それを受けて、現在、日本小児科学会では、地域によっては生後6ヶ月からの日本脳炎ワクチン接種を推奨しています。

 

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを保有する蚊にさされることで感染します。毎年、各都道府県で実施されているブタの抗体保有状況をみると、日本脳炎ウイルスは西日本を中心に広い地域で確認されています。したがって、当地域においても早めに接種する意義はあると考え、当院でも2024年(令和6年)度より、日本脳炎ワクチンの生後6ヶ月からの接種を推奨することにしました。

 

日本脳炎ワクチンの接種量は、3歳未満で0.25ml、3歳以上で0.5mlと異なります。しかし、1期接種(初回から追加までの計3回)を0.25mlで済ませた場合でも、効果に問題がないことが確認されていますので、ご安心ください。

 

投稿者: 医療法人廣仁会