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2015.06.26更新

今回はよつば保育園の看護師コラム6月号より、「虫刺され」についてご紹介します。


しのぎやすい季節になったと思う間もなく、まもなく梅雨の季節です。これからの季節に増えるのが「虫刺され」。虫さされは、とても日常的な皮膚病のひとつで、身近な虫が原因となることが多く、完全に予防することはなかなかむずかしいものです。
今回は代表的な虫の特徴と、刺されたときの症状および治療法についてご紹介しましょう。虫に刺された!とわかったときにはすでに虫の姿がないことも多く、原因となった虫を特定することは難しいのが現実です。しかし、日常の生活で刺されやすい虫と、その症状を知っておくことで、適切な対応や治療ができます。代表的な虫の特徴と、刺されたときの症状は次の通りです。

●蚊
家の中、庭、公園、野山などどこにでも生息しています。体長5mmほどで、メスだけが吸血します。蚊が刺す時の唾液などに反応して皮膚が腫れたり痒くなると言われています。刺されてすぐに発疹ができ、かゆくなる反応と、1~2日後に症状が出る反応の両方がありますが、年齢であらわれ方が変化する傾向があります。また、蚊はデング熱・日本脳炎・マラリアなど感染症の媒体にもなるため注意が必要です。

〔処置〕
刺されたら流水で洗い、市販の虫刺され薬を使用します。症状が強い場合は、病院を受診しましょう。痒みがひどいときは冷やしてみましょう。症状が落ち着くこともあります。刺されたところをかかないようにしましょう。不潔な手や爪でかきむしって感染症を起こすと「とびひ」になり、内服治療が必要なことがあります。

●毛虫・毒虫
有毒の毛をもっているのはごく一部の毛虫(チョウやガの幼虫)です。毒のある毛虫に触れると、赤い小さな発疹がたくさんあらわれ、激しいかゆみをともないます。じんましんのようになることもあり、掻くと広がっていきます。庭木の手入れなどをしたあとに、首や腕に集中してあらわれることがよくあります。
チャドクガというガの仲間の幼虫の場合は、触れた直後からかゆみを伴う赤み・膨らみを生じる例や1~2日後にかゆみの強い赤み・ぶつぶつが多発する例があります。
イラガというガの仲間の幼虫の場合は、触れた瞬間ピリピリとした痛みと発疹が生じ、1~2時間でいったん治まるものの翌日赤く腫れてかゆくなることがあります。

〔処置〕
体についた毛や粉を流水で洗い流します。市販の虫刺され薬でも対応できますが、痒みが激しい時や痛みがある時は受診しましょう

●蜂
多くはアシナガバチやスズメバチによるものです。頭や顔、手など露出部を刺されることが多く、刺された直後に、毒の刺激による反応により、激しい痛み・赤み・腫れが生じますが、多くの場合は数時間で治まります。

〔処置〕
まず安全な場所で安静にさせ、傷口に針などが残っている場合は抜きましょう。傷口を石けんと水で洗い、冷却しましょう。

〔方法〕
できるだけ早く取り除きたいところですが、手やピンセットで抜こうとすると、手に刺さってしまったり、奥に押し込んでしまい、針に残っている毒素が体内に放出されてしまう場合があります。これにより痛みや腫れが悪化するケースも。毒素の放出を回避するために使えるのが、クレジットカードや運転免許証です。使い方は、カードの端で肌の表面をそっと横に払うようにこすると安全に取りやすいでしょう。カードが針をキャッチし、皮膚からゆっくりと抜き去ってくれます。    

また、口をつけて吸い出すのは勧められません。蜂の毒を口に入れてしまうことになるからです。歯茎などから毒が侵入する可能性もあります。(毒を吸い出すための吸引器(リムーバー)が、アウトドア用品店などで手に入ります。野外によく行く方はもしもに備えて準備しておくのもよいでしょう。

過去に虫に刺された経験がある場合、アレルギー反応としての症状が加わり、同じ種類の虫に刺された直後~30分以内に痒みを伴った赤み、膨疹(局部的な盛り上がりやふくらみ)、腹痛、顔色が悪い、多量の冷や汗、嘔吐、意識混濁がみられる時は、すぐに救急車を呼びましょう。
「アナフィラキシーショック」が考えられます。


【虫よけ予防対策】
・肌の露出を避ける(女の子はスカートよりもズボンを履きましょう)
・明るい色の服を着る(黒色に虫は寄りやすい)
・雨上がりの外出は避ける(虫が発生しやすい)
・室内に虫が侵入しないように網戸を常に閉め、寝室には就寝前に電気蚊取りなどで防虫する
・特に山間部や渓流沿いへおでかけする際は虫除け剤や携帯用電池式蚊取りを活用する
・幼虫の発生木に注意し、幼虫に触れないようにする
・虫除けスプレーや虫除けティッシュを使用する(首すじや手足)
★ポイント
虫刺されによる腫れの悪化(掻きむしり・異常な腫れ・痛みが強い場合)や不安があれば、医療機関を受診しましょう。


看護スタッフ

投稿者: 医療法人廣仁会

2015.06.19更新

今回はよつば保育園通信の看護師コラム5月号より、夏のお出かけについてまとめたものをご紹介します。


楽しくお出かけが出来るよう、乳幼児を連れての外出時に注意しておいた方がいい事をまとめてみました。

【やけど】
◎公園:夏場の公園にはやけどの危険性がたくさん潜んでいます。熱せられた鉄製の遊具は、常に太陽の光を浴び、高温になっています。滑り台のスロープ部分や鉄棒、ブランコの座る部分や持つ部分などの他、砂場も高温になる事があります。
◎ボンネット:駐車場に止まっている車のボディやボンネットなどは、子供が乗り降りする際に、ついつい触ってしまいがちな車の金属部分。車もとても高温になってしまうため、素手で触ってしまったり、皮膚の一部が接触してしまうだけでも、激しい痛みを感じてしまいます。
◎アスファルト:真夏の太陽を浴びたアスファルトは、高温になってしまいます。テレビ番組で、アスファルトに生卵を割って落としたら目玉焼きが出来た・・という事がありましたが、とても危険な場所なので絶対に裸足で歩かないようにしましょう。

※対策として、暑い時間帯には外出を控え、夕方以降の涼しい時間帯に公園へ行ったり、遊具で遊ぶ前には、保護者の方がまず触って温度を確かめる・・という対応や、日陰がある・水道がある・鉄製遊具ではなく木製遊具がある等、公園内の環境も視野に入れてもらうことも有効です。

やけどを起こしてしまったら?
①やけどをしてしまった場合は、公園内にある水道を利用し、流水で5分ほど冷やす事が大切です。水道がない場合のために、ペットボトルに水を準備しておくのも良いでしょう。冷やしたあとは、やけどの状態やお子さんの様子をしっかり観察しましょう。
②お子さんの調子が悪そうだったり、やけどの範囲が広い・多数ある・深そうなやけどの場合は、直ぐに病院を受診してください。(皮膚科や形成外科、なければ外科)
③水ぶくれをおこしてしまったら、つぶさずに濡らしたガーゼ等をあてて病院を受診してもらうか、傷が小さければ市販のハイドロコロイド製剤を貼っていただくと良いでしょう。


   
【日焼け】
海水浴やプール遊びをする時は、日焼けを気にして日焼け止めなどを積極的に塗りますが、実は、公園でのお散歩であっても、どこへ行くにしても、日焼けというやけどは常にお子さんの肌に被害を及ぼしています。子供の皮膚は大人と違って薄いため、日焼けを起こすと、激しい痛みを感じてしまいます。

※日焼け止め(石鹸で落とせるタイプ)が有効ですが、「使いたくない」「抱っこのベビーだし日傘に入っているから大丈夫」・・と躊躇してしまう方もいますよね。上半身は日陰でも、足先は太陽にあたり赤くなっていた・・という事もあります。もし、日焼け止めを使用しない場合は、直射日光が当たらないよう、ケープやバスタオル等で足先まで覆うという方法や薄手の長そで・長ズボンを着用する・・等で対応されると良いでしょう。

◎チャイルドシート:外気温が30度以下であっても、車内はかなり高温になりますので、金具部分に触れてやけどをしてしまう事があります。また、チャイルドシートは身体全体を包み込む設計の為、熱くなったシートにより脱水が起こってしまったり、汗疹などの皮膚トラブルになる事もあります。

※金具が高温にならないよう、白いバスタオル等でチャイルドシートを覆うようにかけるのも効果的です。(黒は熱を吸収してしまうので注意!!) また、子どもとの接触部分は高温になりがちなので、乗せる前に保冷剤や冷却スプレー(スプレーは高温な車内に放置すると破裂の恐れがありますので注意して下さい)で冷やすのもいいでしょう。 長時間のドライブ時は、時折背部に手を入れて汗をかいていないか確かめたり、こまめな水分補給を心がけて下さいね。


【冷房対策】
◎保温:夏場は、外気温と室内温度の差が激しいところが多いです。子どもは体温調節が未熟なため、室内で羽織れる薄手の上着があると便利です。また、乳児の場合はブランケットやバスタオルがあると入眠時も使用できますし、授乳ケープがわり・外での日よけ・ベビーカーでの入眠時に陰を作ってあげられる・・等、色々使えて便利ですので、ぜひ1枚お出かけ時に持参ください♪

他にも、着替えは多めに(水遊びしたり汗をかくので)、しっかり休息の時間を取る(暑さで疲れやすいため)、暑い時間の外遊びは避ける、水分補給はこまめに、日焼け止め・虫除けグッズ等を上手に使う・・等、参考にして下さいね。

元気いっぱい楽しい時間をお過ごし下さいsun

看護スタッフ

投稿者: 医療法人廣仁会

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